〜未来の病気を防ぐ、今日からの一歩を〜
生活習慣病とは?
生活習慣病とは、食事・運動・睡眠・喫煙・飲酒など、毎日の生活習慣が深く関わる病気の総称です。
かつては「三大生活習慣病」として高血圧・糖尿病・脂質異常症が代表的でしたが、現在では
一部のがん、肥満症、脂肪肝、アルコール性肝障害、高尿酸血症、歯周病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、
多くの病気が「生活習慣病」として位置づけられています。
生活習慣病は、心臓や血管の病気の大きな原因の一つです。
しかし、実際に循環器病(心臓や血管の病気)を発症してしまうと、運動や食事に制限がかかり、生活の質が下がってしまうことがあります。
だからこそ、循環器専門医として、発症前の段階で生活習慣病をしっかり管理することが重要だと考えています。
こんな方は一度ご相談ください
- 健診で「血圧・血糖・コレステロールが高い」と言われた
- 生活習慣病が乱れているが、多忙で健診を受けていない
- 生活習慣病が複数にわたっており、総合的に見てほしい
- 薬を飲み始めたが、できれば減らしたい
- 生活を変えたいが、何から始めていいかわからない
- 家族に心臓病や脳卒中の方がいて不安
さかねクリニックでの
生活習慣病診療の特徴
循環器専門医によるわかりやすいトータルケア
院長は大学病院および国立循環器病研究センターで長年、心不全や心臓リハビリテーションに携わり、多くの循環器疾患を総合的に診療してきた 循環器専門医・総合内科専門医 です。
心不全の患者さんは、心臓病だけでなく 高血圧・糖尿病・慢性腎臓病・肺疾患 など複数の病気を併せ持つことが多く、薬の選択や食事・運動の指導を行う際には、全身の状態を総合的に考える必要があります。
当院では、そうした複雑な病気に向き合ってきた経験を活かし、生活習慣病についても全身の状態を踏まえた総合的な診療を行います。
「制限する」より「続けられる」を目指し、生活背景に寄り添う治療
高齢社会では、食事や運動を過度に制限することで体力が低下し、フレイルや寝たきりにつながることもあります。
当院では「どこまで制限するか」だけでなく、どうすれば無理なく続けられるか を大切にしています。
ご家庭での血圧や体重、食事内容なども確認しながら、患者さんの生活背景やライフスタイルに合わせた生活習慣の改善を一緒に考えていきます。
薬だけに頼らない治療を目指して
薬はとても大切な治療手段ですが、「薬を減らすこと」も治療の一つだと考えています。
食事や運動を見直すことで、
「血圧の薬が1種類減った」「血糖値が安定して薬を減量できた」
というケースも少なくありません。
当院では、薬と生活習慣のバランスを見ながら、その方にとって最適な治療を一緒に考えていきます。
合併症の早期発見と予防
生活習慣病は、心筋梗塞・狭心症・脳梗塞などの循環器疾患の大きな危険因子です。
当院では、必要に応じて心エコー・頸動脈エコー・運動負荷検査などを行い、動脈硬化の状態を早期に把握し、合併症の予防に努めています。
検査結果をその日のうちに確認
院内で、HbA1cや尿検査などの迅速測定が可能で、その日のうちに結果をお伝えできます。
また、必要に応じて心電図・心エコー・頸動脈エコー・血管年齢測定などを行い、などを行い、動脈硬化の進行や心臓の状態を「見える化」します。
数値の変化を確認しながら、治療の効果や改善点を一緒に振り返ります。
公園とともにあるクリニック
当院は安満遺跡公園に隣接しており、天気の良い日にはウォーキングやストレッチなどの屋外運動をおすすめしています。
自然の中で体を動かしながら、心も体も整える――そんな“心地よい生活習慣病コントロール”を一緒に目指しましょう。
高血圧
血圧が高い状態が続く病気を「高血圧」といいます。
自覚症状がほとんどないまま進行し、脳卒中・心筋梗塞・腎不全などの重大な病気につながることから、
「沈黙の病気(サイレントキラー)」とも呼ばれています。
高血圧は、喫煙に次いで死亡リスクを高める最も重要な因子のひとつであり、
適切な治療を続けることで、健康で長く元気に過ごせることがわかっています。
しかし、日本では治療が十分に行き届いている方はまだ少ないのが現状です。
血圧の基準
診察室での血圧を基準にすると、
- 正常血圧:上(収縮期)<120mmHg、下(拡張期)<80mmHg
- 高血圧:上 ≥140mmHg または 下 ≥90mmHg
ご自宅で測る「家庭血圧」では、より厳しめの基準(135/85mmHg以上で高血圧)が用いられます。
家庭での血圧測定のすすめ
診察室では緊張して高く出る「白衣高血圧」、
逆に家庭で高く出る「仮面高血圧」など、場所によって血圧が変わることがあります。
正しい診断・治療のためには、家庭での血圧測定がとても重要です。
- 測定のタイミング
- 朝:起床後1時間以内に、排尿後・朝食前・服薬前
- 夜:就寝前、入浴や飲酒の前に
それぞれ座って1〜2分安静にしてから測定します。
1分ほど間をあけて2回測り、平均値を記録するとより正確です。
高血圧の原因と検査
高血圧の約90%は「本態性高血圧」といって、明確な原因が特定できないタイプです。
一方で、腎臓・ホルモン・睡眠などの異常が関係する「二次性高血圧」もあります。
特に若い方の高血圧や、急激な上昇が見られる場合には詳しい検査が必要です。
主な原因
- 遺伝的な体質(家族に高血圧の方がいる)
- 塩分の摂りすぎ
- 肥満・メタボリック症候群
- ストレスや自律神経の乱れ
- 運動不足
- 過度の飲酒や喫煙
当院で行う主な検査
- 血圧測定
(診察室血圧・家庭血圧・24時間血圧測定) - 血液・尿検査
(腎機能、電解質、脂質、血糖など) - 心電図・心エコー
(心臓への負担の確認) - 胸部レントゲン
(心臓や肺の状態) - 必要に応じて:睡眠時無呼吸症候群の検査、腎動脈エコー、ホルモン検査 など
高血圧の症状
多くの方は無症状ですが、次のような症状がある場合もあります。
- 朝の頭痛・重だるさ
- めまい・ふらつき
- 動悸・息切れ
- 肩こり・耳鳴り
- 顔のほてり・目のチカチカ
これらは一見「体調不良」と思われがちですが、高血圧のサインであることも少なくありません。
高血圧を放置すると
血管への負担が続くと、
- 脳卒中(脳出血・脳梗塞)
- 心筋梗塞
- 心不全
- 腎不全
- 大動脈瘤、大動脈解離
- 閉塞性動脈硬化症(ASO)
など、いわゆる循環器病を引き起こす可能性があります。
一度こうした病気を発症すると、後遺症や再発リスクが高まり、
生活の質(QOL)に大きく影響します。
だからこそ、「症状がないうちに治療を始める」ことが大切です。
治療と生活習慣の改善
高血圧治療の基本は、まず生活習慣の見直しからです。
当院では以下の6つのポイントを一緒に確認していきます。
- 食事指導(塩分6g/日未満を目標に)
- 体重管理(BMI22を目安に)
- アルコール制限(日本酒1合/ビール500mL以下)
- 運動療法(無理のない有酸素運動を継続)
- 禁煙(動脈硬化の最大のリスク因子)
- 環境整備(冬季の温度差によるヒートショック予防)
それでも改善が得られない場合や、リスクが高い方にはお薬を使用します。
お薬の種類や副作用についても丁寧に説明し、安心して治療を続けられるようにサポートします。
このような方は一度ご相談ください
- 健診で「血圧が高い」と言われた
- 家族に高血圧や脳卒中の方がいる
- 朝の頭痛や体調不良を感じる
- 運動不足や食生活が気になる
- 高血圧の薬を飲んでいるが、循環器病も総合的に見てほしい
- 血圧の薬を続けるのが不安
糖尿病
私たちが食事をとると、栄養が腸から吸収され、糖として血液の中に取り込まれます。
この血液中の糖を「血糖」といいます。
血糖は体を動かすためのエネルギー源ですが、そのままでは細胞の中に入ることができません。ここで重要な働きをするのが「インスリン」というホルモンです。インスリンの働きによって、血液中の糖が細胞内に取り込まれ、エネルギーとして使われます。
糖尿病は、このインスリンの働きが弱くなったり、分泌が不足することで、血液中の糖が使われずに血糖値が高くなる病気です。
糖尿病の症状
初期の段階では自覚症状がほとんどないことも多いですが、次のような症状がみられることがあります。
- のどが渇く・水をたくさん飲む(口渇・多飲)
- 尿の回数が増える(頻尿)
- 体重が減る
- 疲れやすくなる
高血糖の状態が続くと、昏睡(意識障害)に至ることもあります。
放置すると怖い合併症
糖尿病を放置すると、全身の血管にダメージが蓄積し、さまざまな合併症が起こります。
- 網膜症(目の合併症):出血や網膜剥離、失明のリスク
- 神経障害:しびれ、感覚低下、潰瘍や壊疽のリスク
- 腎症:腎機能の低下、最終的に透析が必要になることも
また、糖尿病の最大の合併症は心筋梗塞や脳梗塞、閉塞性動脈硬化症など、まさに循環器疾患です。多くの循環器内科に通院中の患者さんが糖尿病をお抱えです。
糖尿病の診断
糖尿病は主に「空腹時血糖」と「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」の値で診断します。
| 指標 | 正常 | 前糖尿病 | 糖尿病 |
|---|---|---|---|
| 空腹時血糖 | 100mg/dl 未満 | 100〜125mg/dl | 126mg/dl 以上 |
| HbA1c | 5.7% 未満 | 5.7〜6.4% | 6.5%以上 |
当院では院内で血液検査を行い、その日のうちに結果を確認できます。
糖尿病の治療
糖尿病の治療は、まず生活習慣の見直しから始まります。
お薬が必要な場合も、できるだけ少ない量で済むようサポートします。
生活習慣の改善
- 減量:体重の5〜10%を目標に
- 食事:バランスの取れた食事、野菜中心の食生活を
- 運動:週150分を目安に継続的な運動を
薬物療法
飲み薬から注射薬(GLP-1受容体作動薬・インスリン)まで、患者様の状態に合わせて治療を行います。
このような方は一度ご相談ください
- 健診で「血糖値が高い」「体重が多い・メタボリック症候群」と言われた
- 家族に糖尿病や心筋梗塞の方がいる
- 「のどの渇き」「よく水分をとる」「体重が減ってきた」といった症状がある
- 運動不足や食生活が気になる
- 糖尿病の薬を飲んでいるが、循環器病も総合的に見てほしい
- 糖尿病の薬を続けるのが不安
脂質異常症
(高コレステロール血症)
私たちの体の中では、脂質(コレステロールや中性脂肪など)がエネルギー源やホルモンの材料として重要な働きをしています。
しかし、脂質が多すぎたり、バランスが崩れたりすると、血液中のコレステロールや中性脂肪の値が上昇します。
このように血液中の脂質が異常な状態を「脂質異常症(高脂血症)」といいます。
脂質異常症は、初期には自覚症状がほとんどありませんが、長年放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの循環器疾患を引き起こす原因となります。
脂質異常症の症状
多くの場合、自覚症状はありません。健診などで「コレステロールが高い」と指摘されて初めて気づく方がほとんどです。
しかし、進行すると次のような変化がみられることがあります。
- 動悸や胸の痛み(狭心症・心筋梗塞の前触れ)
- 手足の冷え・しびれ(動脈硬化の進行)
- 目のまぶたなどに黄色い脂肪の塊(黄色腫)
知らないうちに動脈硬化が進み、命に関わる合併症を引き起こすことがあるため、早期の発見と管理が大切です。
放置すると怖い合併症
脂質異常症は、「沈黙の病気」と呼ばれるほど症状が少ない一方で、放置すると血管の内側に脂質が沈着し、動脈硬化を進行させます。
動脈硬化が進むと、次のような合併症を引き起こします。
- 心筋梗塞
- 狭心症
- 脳梗塞
- 閉塞性動脈硬化症
- 腎硬化症
脂質異常症は「血管の老化を早める病気」です。糖尿病や高血圧を合併すると、さらにリスクが高まります。
脂質異常症の診断
脂質異常症は、主に血液検査で診断します。
| 指標 | 正常値 | 境界域 | 脂質異常症の目安 |
|---|---|---|---|
| LDLコレステロール(悪玉) | 120mg/dL 未満 | 120〜139mg/dL | 140mg/dL 以上 |
| HDLコレステロール(善玉) | 40mg/dL 以上 | — | 40mg/dL 未満 |
| 中性脂肪(TG) | 150mg/dL 未満 | — | 150mg/dL 以上 |
当院では院内で血液検査を行い、その日のうちに結果を確認できます。
脂質異常症の治療
治療の基本は、まず生活習慣の見直しです。
お薬が必要な場合も、できるだけ少ない量で済むようサポートします。
生活習慣の改善
- 食事:動物性脂肪を控え、魚・野菜・大豆を中心にバランスの良い食事を
- 運動:有酸素運動(ウォーキングやサイクリングなど)を週150分程度
- 禁煙:喫煙は動脈硬化を急速に進めます
- 適正体重の維持:体重を5〜10%減らすだけでも改善が見込めます
薬物療法
スタチン系薬剤・エゼチミブ・フィブラート系薬剤などを、検査値と全身リスクに応じて選択します。
循環器専門医が、動脈硬化リスクを踏まえた適切な薬物治療を行います。
家族性高コレステロール血症の診断について
脂質異常症の中でも特に注意が必要なのが「家族性高コレステロール血症(FH)」です。FHは遺伝性の高コレステロール血症で、若くても動脈硬化や心筋梗塞のリスクが高くなるため、早期に診断することが重要です。
診断のポイントとしては以下があります。
- 血液検査:LDLコレステロール値が著しく高い(成人で約180mg/dL以上、小児で約140mg/dL以上)。
- 家族歴:親族に若年で心筋梗塞や狭心症の既往があるか。
- 身体所見:意外に思われるかもしれませんが、コレステロールの異常は血液だけでなく皮膚や腱にも現れます。特にアキレス腱や手指腱にコレステロールが沈着(腱黄色腫)することがあります。これが診断の手掛かりとなります。
家族性高コレステロール血症は、特にリスクの高い高コレステロール血症です。しっかり疑い、しっかり診断することで、早期に生活習慣改善や薬物治療を開始し、心筋梗塞や脳卒中などの発症を予防しましょう。コレステロール値だけでなく家族歴や身体所見も含めた総合的な評価が大切です。
このような方は一度ご相談ください
- 健診で「コレステロールが高い」「中性脂肪が高い」と言われた
- 家族に「家族性高コレステロール血症と診断された方」がいる
- 家族に「お若くして心筋梗塞を起こされた方」がいる
- 健診のLDLコレステロール値が異常に高く、180mg/dLを超えていた
- 家族に心筋梗塞や脳梗塞の方がいる
- 食事や運動の習慣を見直したい
- 脂質異常症の薬を続けているが、循環器疾患も総合的に見てほしい
- 数値だけでなく、動脈硬化の進行もチェックしたい
メタボリック症候群・肥満症
わかりやすい説明とトータルケア
メタボリック症候群は、内臓脂肪型肥満に「高血圧」「高血糖」「脂質異常」が重なった状態を指します。
それぞれの異常が軽度であっても、複数が重なることで動脈硬化が進行しやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な疾患のリスクが高くなることが知られています。
近年では、肥満は単なる「生活習慣の結果」ではなく、治療が必要な病気=肥満症(Obesity Disease)として捉えられるようになっています。
肥満と肥満症の違い
肥満とは
肥満とは、体に脂肪が過剰に蓄積した状態を指します。
一般的にはBMI(体格指数)=体重(kg)÷身長(m)2 を用いて評価し、日本ではBMI25以上を肥満と判定します。
BMIの値により肥満度は次のように分類されます。
- 肥満1度:BMI25以上30未満
- 肥満2度:BMI30以上35未満
- 肥満3度:BMI35以上40未満
- 肥満4度:BMI40以上
特にBMI35以上は「高度肥満」と呼ばれ、健康への影響が大きくなるため注意が必要です。
ただし、肥満そのものは必ずしも病気ではありません。
肥満症とは
肥満症とは、肥満によって健康障害が起こっている状態を指します。
具体的には、
- 肥満に関連する健康障害(耐糖能異常、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、冠動脈疾患、脳梗塞、非アルコール性脂肪性肝疾患、月経異常、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、運動器疾患、肥満関連腎臓病)がある場合
- あるいは腹囲(男性85cm以上、女性90cm以上)で内臓脂肪の蓄積が疑われる場合
に「肥満症」と診断されます。
つまり、
- 肥満:体脂肪が多い状態
- 肥満症:肥満によって健康に問題が生じている病気
という違いがあります。
肥満症は医療による管理や治療が必要となる疾患です。
肥満症が引き起こす主な健康リスク
肥満症の背景には、食生活の欧米化や運動不足などの生活習慣が関係していることが多く、特に内臓脂肪の蓄積が問題になります。
肥満に関連する健康障害(耐糖能異常、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、冠動脈疾患、脳梗塞、非アルコール性脂肪性肝疾患、月経異常、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、運動器疾患、肥満関連腎臓病)が重なることで、将来以下のような重篤な合併症を発症するリスクが高まります。
- 心筋梗塞
- 心不全
- 呼吸不全
- 静脈血栓症
- 脳梗塞
- 突然死
適切な減量や生活習慣の改善により、これらの病気の予防や改善が期待できます。
当院で行う肥満症の検査
当院では、肥満に伴う健康状態や合併症の有無を評価するため、必要に応じて次のような検査を行います。
身体測定
身長、体重、BMI、腹囲、体脂肪率などを測定します。
血圧測定
高血圧の有無を確認します。
血液検査・尿検査
血糖値、コレステロール、中性脂肪、肝機能などを調べ、全身の健康状態を評価します。
動脈硬化検査(CAVI・ABI)
血管の硬さや詰まりの程度を調べ、血管年齢を評価します。
胸部レントゲン検査
心臓や肺の状態を確認します。
超音波検査(エコー)
必要に応じて心臓、頸動脈、腹部などを検査し、合併症を評価します。
運動負荷心電図
運動時の心臓の状態や血流の変化を確認します。
睡眠時無呼吸症候群の検査
自宅で装着する簡易検査機器を用いて、睡眠中の呼吸状態を評価します。
肥満や体重増加が気になる方、健康診断で指摘を受けた方は、早めの相談が大切です。
生活習慣の改善や運動療法などを通して、無理のない健康づくりを一緒に進めていきましょう。
肥満症の治療について
肥満症の治療は、単に体重を減らすことだけが目的ではありません。
肥満によって起こる健康障害を改善し、将来の病気を予防することが大切です。
当院では、患者さん一人ひとりの生活背景に合わせて、次の4つの柱を中心に治療を行っています。
食事療法
肥満症の治療では、日々の食事内容を見直すことが重要です。
当院では、医師の方針に基づき、管理栄養士による栄養指導を行っています。普段の食事内容や生活習慣を丁寧にお伺いし、無理なく続けられる食事の工夫を一緒に考えていきます。
極端な制限ではなく、日常生活の中で継続できる食事改善を目標としています。
運動療法
運動は体重を減らすだけでなく、基礎代謝の改善や脂肪燃焼の促進、生活習慣病の予防にも大きく役立ちます。
必ずしも激しい運動を行う必要はありません。
- ウォーキング
- サイクリング
- 軽い体操やストレッチ
など、ご自身の体力や生活スタイルに合った運動を継続することが大切です。
当院では、無理なく続けられる安全で効果的な運動習慣づくりをサポートしています。
薬物療法
食事療法や運動療法を継続しても十分な改善が得られない場合には、肥満症に対する薬物療法を検討することがあります。
患者さんの状態や合併症を考慮しながら、適切な治療を選択します。
合併症に対する治療
肥満症では、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病や、睡眠時無呼吸症候群などを合併していることがあります。
そのため、減量に取り組みながら、
- 内服治療
- CPAP療法
- 各疾患に対する専門的治療
などを並行して行う場合があります。
体重が改善することで、これらの治療が将来的に減量・中止できる可能性もあります。
このような方は一度ご相談ください
- 健康診断で メタボリックシンドロームを指摘された
- お腹周りが気になってきた
- 体重が増えてきた
- 血圧・血糖値・コレステロールが高めと言われた
- ダイエットしてもリバウンドしてしまう
- 生活習慣を改善したいが何から始めたらよいかわからない
- 将来の 心筋梗塞や脳梗塞 を予防したい
睡眠時無呼吸症候群
(Sleep Apnea Syndrome)
睡眠中に呼吸が一時的に止まってしまう病気です。
医学的には、10秒以上の呼吸停止または低呼吸(浅い呼吸)が、1時間あたり5回以上起きている場合に診断されます。
国内では、中高年男性の約3〜5人に1人が該当すると言われており、決して珍しい病気ではありません。
主なタイプ
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)
空気の通り道である上気道(のどの奥)が閉じてしまうことで起こります。
肥満による首まわりの脂肪、顎が小さい骨格、扁桃肥大、鼻閉などが関係します。
主な症状
- 大きないびき
- 日中の強い眠気や集中力低下
- 起床時の頭痛・だるさ
- 夜間頻尿や熟睡感の欠如
治療の基本
OSASの治療の主体は減量(体重管理)です。
肥満により首まわりの脂肪が増えると、上気道が狭くなり無呼吸が起こりやすくなります。
したがって、食事療法・運動療法・生活習慣の見直しが根本的な治療につながります。
当院では、心臓リハビリや栄養指導を組み合わせて、
「続けられる減量・生活改善」をサポートしています。
症状の程度に応じて、
- CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸)療法
- マウスピース療法(口腔内装置)
なども併用していきます。
中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)
脳の呼吸中枢からの指令がうまく出なくなるタイプです。
主に心不全や脳梗塞などが原因となります。
このタイプではいびきが少なく、夜間の無呼吸を本人も気づきにくいことが特徴です。
循環器領域では、特に心不全患者さんの約30〜40%に中枢性無呼吸が合併すると報告されています。
心臓のポンプ機能低下や体液貯留によって、呼吸のリズムが乱れるためです。
中枢性無呼吸が続くと、夜間の低酸素や交感神経の過活動によって心不全や不整脈(特に心房細動)を悪化させることが知られています。
このため、当院では心不全患者さんに対しても睡眠評価を早期に取り入れることを大切にしています。
検査と重症度の目安
- 無呼吸低呼吸指数
(AHI:Apnea–Hypopnea Index) - 1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数を示す指標です。
| 重症度 | AHI値 | 症状の目安 |
|---|---|---|
| 軽症 | 5〜15回/時 | いびき・軽い眠気 |
| 中等症 | 15〜30回/時 | 強い眠気・集中力低下 |
| 重症 | 30回/時以上 | 高血圧・不整脈・心不全など併発 |
簡易検査とPSG(終夜睡眠ポリグラフ検査)の違い
当院では、まず自宅で行える簡易睡眠検査を実施します。
鼻の気流、血中酸素飽和度、体動などを測定し、睡眠中の呼吸異常を評価します。
ただし、簡易検査では「呼吸の異常の程度」は分かりますが、睡眠の深さや脳波変化、レム睡眠の状態までは分かりません。
そのため、以下のような方ではPSG(終夜睡眠ポリグラフ検査)が必要です。
- PSGが必要な方
- 簡易検査でAHIが20前後で判定が難しい方
- 中枢性無呼吸が疑われる方(心不全・脳疾患あり)
- CPAP導入前の最終確認を行う場合
- CPAP治療で効果が乏しい場合
- 肥満が軽度でも重度の無呼吸を認める場合
PSGでは、脳波・眼球運動・筋電図・呼吸・心電図・酸素濃度などを同時に測定し、より精密に原因と重症度を評価します。
マランパチ分類(Mallampati分類)
上気道の狭さを口の中の観察で簡易的に評価します。
| 分類 | 見える範囲 | 無呼吸リスク |
|---|---|---|
| クラスⅠ | 口蓋垂・咽頭全体が見える | 低い |
| クラスⅡ | 口蓋垂の一部が見える | やや高い |
| クラスⅢ | 口蓋垂がほとんど見えない | 高い |
| クラスⅣ | 口蓋垂も扁桃も見えない | 非常に高い |
循環器疾患との関係
睡眠時無呼吸は、
- 高血圧
- 心不全
- 不整脈(特に心房細動)
- 冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)
と深く関係しており、「夜間の低酸素」と「交感神経の過活動」が共通の要因です。
実際、未治療の睡眠時無呼吸は高血圧リスクを2倍、不整脈リスクを3倍に高めるといわれています。
当院での診療の流れ
- 問診と身体診察
- 自宅での簡易睡眠検査
- 検査結果に応じた生活習慣・体重管理のサポート
- CPAP導入・フォローアップ
- 必要に応じたPSG(精密検査)機関への紹介
当院では、心不全や高血圧の治療と並行して、
睡眠の質を整えることによる全身の改善を重視しています。
このような方は一度ご相談ください
- 家族からいびきが大きい・呼吸が止まっていると言われる
- 朝起きたときに頭痛や強いだるさがある
- 十分寝ているのに日中眠い、集中力が続かない
- 夜中に何度も目が覚める
- 寝ても熟睡感がない
- 健康診断で高血圧や肥満を指摘された
- 睡眠時無呼吸症候群を疑われたことがある
脂肪肝
脂肪肝とは、肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態を指します。
自覚症状がほとんどないため、健康診断の血液検査(AST・ALTの上昇など)や腹部エコーで指摘されて初めて気づく方が多いです。
主な原因は、肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧・過剰な飲酒、一部の薬剤などです。
近年では、「MAFLD(代謝関連脂肪性肝疾患:Metabolic dysfunction-associated fatty liver disease)」という名称が用いられるようになり、
生活習慣病を背景にした脂肪肝が注目されています。
放置すると肝硬変・肝がん・動脈硬化・心疾患のリスクが高まるため、早期に対策することが大切です。
脂肪肝の原因と分類
脂肪肝は大きく次の2つに分けられます。
- 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/MAFLD:飲酒量が少ない方でも、肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧などが原因で起こります。
- アルコール性脂肪肝:飲酒量が多い方にみられ、アルコール代謝による肝障害が中心となります。
いずれの場合も、肝臓に慢性的な炎症や線維化が進行すると、肝硬変や肝がんの原因となることがあります。
治療の基本方針
脂肪肝の治療は、生活習慣の見直しと代謝改善が中心です。
当院では、体組成計を用いて「見える化」を行い、筋肉量・体脂肪量・内臓脂肪をチェックすることが可能です。
これにより、具体的な目標設定がしやすくなり、
「単なる肥満」か「サルコペニック肥満(筋肉量の低下を伴う肥満)」かを区別して、それぞれに合った治療を行います。
生活習慣の改善
- バランスのとれた食事(糖質・脂質を控え、たんぱく質・食物繊維をしっかり)
- 有酸素運動+筋力トレーニング(週150分を目安に)
- 飲酒量の見直し、禁酒・減酒の支援
- 睡眠とストレスの調整
このような方はご相談ください
- 健診で「肝機能異常」や「脂肪肝」と指摘された
- 以前よりAST・ALTが高い
- 糖尿病・脂質異常症・肥満・高血圧などがある
- お酒をよく飲む、または以前より飲酒量が多い
- 体重が増えた/内臓脂肪が多いと言われた
- 家族に肝臓病・肝がんの方がいる
- 運動不足・睡眠不足・ストレス過多の生活が続いている
高尿酸血症(痛風)
高尿酸血症は、血液中の尿酸が過剰に増え、血清尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態を指します。
尿酸は「プリン体」という物質が体内で分解される際に生じる老廃物で、通常は腎臓から尿として排泄されます。
しかし尿酸は水に溶けにくいため、血液中では「尿酸塩」として存在します。
尿酸が多くなると、針のような形をした尿酸塩結晶が関節などに沈着し、
足の親指の付け根などに激しい痛みを伴う炎症(痛風発作)を起こします。
一度痛みが治まっても尿酸値が高いままだと、痛風発作の再発を繰り返します。また腎臓にたまって結石ができると背中に痛みが生じ、尿管や膀胱に移行するとその部分で炎症を起こし、激痛を生じます(尿路結石)。症状がない場合であっても、尿酸が高い状態が持続すると脳卒中、心臓病などの循環器病に至る場合もあります。
痛風は「関節の病気」ではなく、全身の代謝バランスの乱れから起こる病気なのです。
生活習慣との関係
高尿酸血症は、食生活・飲酒・肥満・運動不足などの生活習慣が深く関与しています。
特に、次のような習慣が尿酸値を上げる原因となります。
- 肉類や内臓(レバー、白子など)・魚卵(いくら、明太子など)の過剰摂取
- ビール・日本酒などの飲酒(アルコール自体が尿酸排泄を妨げます)
- 糖分を多く含む清涼飲料(果糖ブドウ糖液糖など)
- 急激な体重増加や肥満
- ストレスや脱水(尿量の減少)
逆に、尿酸値を下げるためには、
- 水分を1日1.5〜2リットル程度しっかり摂る
- 野菜中心のバランスのとれた食事
- アルコールや甘い飲み物の摂取を控える
- 適度な有酸素運動を継続する
といった生活改善が重要です。
また、一部の高血圧や心臓病のお薬の副作用により、尿酸値が上昇することがあります。尿酸の治療を行わずとも、お薬を調整することで尿酸値が改善することもあります。
このような方はご相談ください
- 健診で「尿酸値が高い(7.0mg/dL以上)」と指摘された
- 数年前より徐々に尿酸値が上昇している
- 痛風発作(足の親指の付け根などの激しい痛み)を経験したことがある
- 痛みが治まったが、その後の再発が心配
- 尿路結石(尿酸結石など)を起こしたことがある
- 検診で「クレアチニンが高い」「eGFRが低い」と言われた(腎機能低下)
- 高血圧で降圧薬(特に利尿薬)を服用している
- 心不全・心筋梗塞など心臓疾患の既往がある
- ビール・日本酒・焼酎などお酒をよく飲む
- 肉類・内臓・魚卵などプリン体を多く含む食品が好き
- 運動不足・睡眠不足・ストレス過多の生活が続いている